Fall came.(藤堂)
拝啓 藤堂平助さま
風が涼しくなってきました。京ももうすっかり秋ですね。
風邪などひいておりませんか。
今年は一緒に焼き芋が出来なくて残念です。
することがなかったので部屋で読書をしていると、一通の文が届いた。
つい緩んでしまう口元を手で隠しながら文を開く。
白い半紙には、女の子らしい綺麗で小さな文字が並んでいる。
楽しそうな声にふと庭を見ると、5人ほどの御陵衛士たちが落ち葉を集めていた。
平助は「華がないなぁ」と苦笑いを浮かべると、文を懐にしまい、部屋を出た。
私だって、出来るならばあなたと居たかった。
You cried.(土方)
「赦せ」
あなたは優しすぎる。
私のためになんか泣かないで。
あなたの手にかかって死ねて、私は幸せです。
good bye.(坂本龍馬)
「どうしても行くの」
「仕方ないことちや。我慢しとおせ」
黒く日に焼けた、大きな手で私の頭をごしごし撫でた。
「これで日本は大きく動くぞ」
日本なんかが動かなくても、私は充分幸せなのに。
言いたかったけど、あなたの目があまりにもきらきらしていて、
私は言葉を胸にしまった。
「さよなら」
I ran in the sky.(沖田)
「一度、空を駆けてみたいと思いませんか」
「まぁた、子どもみたいなこと言っちゃって」
どうしてあなたはそんなに純粋なのかしら。
I pray forever.(土方)
「絶対に無駄にはしないから」
また一人と、魂の抜けた亡骸に、祈る。
いつか、いつの日か、
俺たちの血が報われますように。
懺悔にも近い祈り。